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今さら聞けないキャニスターの話
2009年 09月 29日 |
アウトドア用火器の燃料は灯油にガソリン,ガス,アルコールに固形燃料・・・
燃焼器にも数々あれど,手軽さで一番売れているのがガスストーブではないでしょうか。

キャニスター(ガスカートリッジ) 通称:OD缶
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LPGとは(Liquefied petroleum gas→リキッド・ペトロリウム・ガス)液化石油ガスの略。
産地によって成分が違うようですが,天然ガス成分の殆どはメタン,そしてエタン。
我々が燃料として使う都市ガスやプロパンガス(ドイツ語)と呼ばれる燃料ガスは,石油または天然ガス(Natural gas)から精製されたものでプロパンとブタンの混合物です。
自然界では気体で存在しますが,圧縮することで簡単に液化することが出来ます。
また圧縮・液化することで体積がうんと小さくなり,容器に入れて大量に輸送することが出来るのも特徴。
LNGタンカーといえば,大きな球形のガスホルダーを積んだ専用船ですね(^_^)b

【SNOW PEAK HPより引用】
◇プロパン
沸点は-42.1℃で3種類のLPGの中で最も低く,-40℃でも着火が可能です。
蒸気圧は8.5kg/cm2+25℃で3種類の中で最も高いため安定した高出力で燃焼し続けることができます。
反面カートリッジの内圧を非常に高くするため,混合率には限界があります。

◇イソブタン
沸点は-11.7℃でノルマルブタンより低く,-10℃でも着火が可能です。
蒸気圧は2.6kg/cm2+25℃でノルマルブタンより高いため安定した出力で燃焼し続けることができます。

◇ノルマルブタン
沸点は-0.5℃で3種類の中で最も高く,氷点下での着火は不可能です。
蒸気圧は1.8kg/cm2+25℃と最も低く,気化しにくい特性があります。



さて,基本情報はこんなところで・・・
主な成分別で見るとおり,プロパンガスが低温に強いことがわかりますよね。
ならば,100%プロパンでよくね? と思うのは人情。
でもプロパンはブタンに比べて高圧縮しないと液化しないため,高圧ガス保安法やら消防法やらで「圧力容器の安全規定」が厳しく,ブタン系との混合比で30~40%が使い捨て容器の限界みたいです。

底の凹みは高圧に耐えるための形状
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メーカー別にガス成分を見てみましょう~

PRIMUS
G(ノーマル):ノルマルブタン100% ◆記事トップ画像の左手前
T(ハイパワーガス):ノルマルブタン70% プロパン30%
U(ウルトラガス):イソブタン70% プロパン30% ◆記事トップ画像の左端

EPI
R(レギュラー):ノルマルブタン63% イソブタン27% プロパン10%
P(パワープラス):ノルマルブタン49% イソブタン21% プロパン30% ◆記事トップ画像の真ん中
X(エクスペディション):ノルマルブタン42% イソブタン18% プロパン40%

*SNOW PEAK
金缶(プロイソ):ノルマルブタン60% プロパン40%
銀缶(イソ):ノルマルブタン70% プロパン30%
赤缶:2006年に製造終了。 ◆記事トップ画像の右に写っているのが今は無き「赤缶」

各メーカーとも「純正のガスボンベを使わないと知らないよ,何かあっても責任取らないもんね」と警告しています。
まあ,エンジニア的にはストーブのネジピッチ,安全バルブの高さが合えば科学的には問題ないわけであって。。
少なくとも画像で紹介した大手3社のものは,どれも問題なく使えます(いちおう自己責任でよろしく)。


つい最近のことなんですけど,恥ずかしながら「いまさら何を!」と笑われそうな発見をしました。
もう出戻って5年になりますが,これまで私は110缶(一番小さいキャニスター)しか買ったことがなかったのです。
理由は特になく,小さい方が軽いでしょ! っていう軽いノリ。
会社近くの老舗山道具屋が閉店するってんで,消耗品の類をいくつか買うことになり,初めて250g缶を買ったわけです。 んでもって,初めて250缶をストーブに装着して使ったところ,110缶ではこれまで聞いたこともないような燃焼音で明らかに火力が強いんですよ~ モチロンお湯も早く沸きました(体感ですが)。

そんな発見が日曜日のこと。
どーゆうことかと調べてみると,各社とも250缶には「気化促進装置」みたいなものが内蔵されていることがわかった。
充填圧は同じでも,この仕掛けがあるとないとでこんなにも違うものかと目からウロコでした。
110缶にはこの仕掛けが付いていません。

250缶は少々の重量と大きさに目をつぶりさえすれば,圧倒的にコスト&パワーバリューに優れている。
という自分なりの結論(^_^)b

大きさ比較
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左:250缶がピッタリ収まるMSR Titan kettle
右:110缶がピッタリ収まるSNOW PEAK Trek700
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キャップを外せば*SP T-700には110缶が2個入ります。

ニワトリが先かタマゴが先かではありませんが,アウトドア用のクッカー類はガスキャニスターのサイズに合わせて設計しているということが判ります。 昨日の記事のバックパックではないですが,ワタクシこれまで「ライト&ファスト」を気にするあまり,なんでもかんでも小さいモノ,軽いモノにばかり目が行ってました。

真冬の武奈ヶ岳で110缶を付けたJet Boilが全く着火しなくて「使えねぇ!」とぶち切れた経験があります。
今にして思えばあの場面ではP社のUガス,またはE社のPガスorEXPガスの250缶を使わなきゃならんのです。
まったく,使えないのは自分の道具選択眼でしたよ。 トホホ。
もっと実質の性能面や使い勝手を洞察しなきゃですね~

最後に・・・素朴な疑問がキャニスターのデザインです。
各社とも,昔の選挙立候補者が掛けてたタスキ風の文字入れがボディにしてあります。
不思議やなぁ~

【2009年9月30日 追記】
一般に我々は,110缶,250缶,500缶と容量サイズで呼びます。
しかし,ガス成分によっては容器の圧力安全基準の関係でNET容量も変わります。
EPIエクスペディション缶は,冬季限定使用を推奨していますので,夏の車内放置などなさらないよう注意して下さい。
紹介した各メーカーのURLリンクを追記します。

PURIMS(イワタニプリムスHPより)ガスカートリッジ
EPI(ユニバーサルトレーディングHPより)カートリッジ
Snow peak(同社HPより)ギガパワーガス

各社の取り扱い説明文を参照し,安全なアウトドアライフをお楽しみ下さい。
by eohiuchinada | 2009-09-29 22:23 | テクニカル
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