断層破砕帯を歩く

オオイワカガミ(岩鏡) イワウメ科 K-7 + DA40 F2.8
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六甲山は500万年前からプレートに押され隆起した山塊。
このため,非常に多くの断層があることで(地学マニアの間では)有名なのです。
今日は,裏六甲(北面)の顕著な破砕断層が露出したところからアプローチして頂上稜線を巡った。

初撮りを兼ねて,K-7も持ち出しましたので何枚かUPします。
まだ馴れておらず,行動中はS90で撮りましたので比較なんかも(笑)
注)秘密主義者ではありませんが,六甲山系では希少種と思われる花を見つけたためコース詳細は割愛



六甲山の殆どは花崗岩で構成されていて,遙か昔に地下のマントルが地表に出てきて冷え固まったもの。
いわゆる火山由来の岩なので,固く緻密であるのが本来の姿。
有名どころでは,御影石。
墓石やお金持ちの玄関などに使われる,六甲産出の高級石材は淡桃色の花崗岩で,磨くと美しい石です。
先週踏破した表六甲の御影上流に,「石切道」という古道が残っていますがこれはこの石を切り出したことに由来している。


有馬街道から見える「バットランド」 全てS90
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完全に風化してしまい,崩壊した山肌を晒す白水峡。
実はこのボロボロな山肌も,元はあの御影石と同じ花崗岩なのです。
六甲山が隆起する際に東西方向からとてつもない地殻の圧縮powerを受け粉々に砕かれたのだとか。
砕かれたところは,雨水の侵入を許し硬い組織の長石や石英を溶かしてしまい砂と粘土に変わり果てます。
この脆い地質の帯が,地学的には「破砕帯」と呼ばれる断層のこと。

破砕帯といえば「黒部の太陽」で有名な,大破砕帯をぶち抜いたトンネル難工事がありましたよね。
実は六甲山でも,破砕帯を抜いたもの凄いトンネル工事がありまして,マニアの間では酒のつまみとして語られている(笑)
この辺り,興味のあるかたはコチラ ↓ のサイトをどうぞ。
  「無名断層300日の抵抗
えー,特に山陽新幹線を常用される方は,のぞみ停車駅の新神戸駅を出て東京方面に向かうとき,長い長いトンネルを通過することご承知かと思います。 あれが「六甲トンネル」であります。
この記事を読んだからには「あ~,あと10分で新大阪やね」とかいいつつ荷物を整理するのではなく,難工事を完遂した匠たちに思いをはせてね。 10mの破砕帯突破に10ヶ月,1日3cmだかんね!!


さて,山行に話題を戻しましょう。
実はこの日,尾根に取付くのにショートカットしてやろうと,この大崩壊した絶壁の端っこのあたりから直登を試み,大いにアドレナリンを放出してしまい続く登りでは完全に腑抜けてしまいました。 やっぱりハイクもはじめちょろちょろがよろしいようで・・・

四等三角点が設置される某ピークにて昼ご飯 K-7
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メスティン(独りメシ用飯ごう)でご飯を炊きつつ,重石を兼ねたヤカンも予熱するの図
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イワカガミはこのあと出現しました。
ワタシも六甲山系で実際に花を目にするのは初めての経験でした。

S90
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K-7
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ん~,早くもマクロレンズ所望な気分・・・
アルプスのコマクサもカワイイですが,人知れずひっそりと咲くイワカガミもいいですねぇ。
この花が風に揺られるんですよ,カワユスです。
このあとは頂上稜線(全山縦走路)に飛び出し,少し東に歩いたあと下山。

以下は取説をビニール袋から出してもいないK-7による撮影。
初日の本日はJPEGのみ・・・ コンデジ時代の癖が抜けず「日の丸」構図なのはご愛敬(笑)

以下K-7にて,全てノートリミングでございます。
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by eohiuchinada | 2010-05-16 02:51 | ハイキング