生きて,還る

ヨーロッパアルプス三大北壁
グランドジョラス・ウォーカー稜,マッターホルン北壁,そして・・・アイガー北壁

かつて「魔の山」とか「死の壁」と恐れられ,クライマーからは「壁の中の壁」と崇められる標高差1,800mの垂壁。

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山好きの間ではあまりにも有名な1936年夏の挑戦(史実)をそのまんま映画化。
いよいよ来月20日に全国ロードショーがスタートする。

ブログタイトルは映画のサブタイトルそのまんま。
いきなりネタばらしになってしまうかも知れないが,この登攀の当事者は全員この壁に命を奪われたためクライマーが自ら書く「登攀記」のようなものは存在しない。 しかし,麓の町であるクライネ・シャイデックからはこの北壁が丸見えで初登攀に血道を上げるクライマー達の行動は当時のジャーナリスト達によってヨーロッパ中に伝えられた。

しかし,だ。
「そこに山があるから」という有名な言葉を残した英国の伝説的登山家,ジョージ・H・L・マロリーが北極,南極に続く第三の極(世界最高峰)エベレストを目指したのが1920年代。 まだまだ登山が冒険とか探検というカテゴリーに色濃く染まっていた時代から,第二次大戦前夜には「どこの壁をどのようにして登ったか」が競われるスポーツクライミングへと移行して行く。

この映画は,そんなスポーツクライミング黎明期に起きた大事件を題材に映画化された作品です。
「クリフ・ハンガー」みたくありえねぇアクション娯楽作や,カメラワークのみに拘って原作を台無しにした「剣岳・点の記」みたいな木を見て森を見ない三流作品とは格の違いを見せてくれることに期待しましょう^^

史実を簡素に知りたければ,ジョン・クラカワー著「エヴェレストよりも高い山」の「Eiger Dreams」。
または,ボブ・ラングレー著「北壁の死闘(フィクション)」を参照されたし。

蔵書ですので貸し出しもゴザイマス(笑)
映画「アイガー北壁」オフィシャルサイトはこちら
by eohiuchinada | 2010-02-25 21:48 | 映画